こんにちは。YoFuです。
今回は『世界の住宅建築の基本 伝統的な建築材料と構造について』をお送りします。
世界の建築を紹介・解説したものだと、世界遺産などの有名なものがクローズアップされがちですが、実は住宅建築のほうが面白いです。
住宅は人々の生活の基本なので、住宅建築は文化そのものです。住む人の文化が凝縮されています。住宅建築を知れば人々の暮らしや文化が見えてきます。
世界各地で、各地の伝統や文化に合わせた多用な住宅建築があります。住宅を知ることで、各地の伝統や文化をもっと楽しむことが出来ます。
追記:より詳しく解説した記事を作成しました。こちらも読んでみてください。
世界の伝統的な住まい・ヴァナキュラー建築の基本 住居の素材の性質編 - YoFu’s Taravel Blog
まえがき
建築は現地の人々の芸術・技術・思想・宗教の影響を受けながら、気候・風土・頻発する災害・採れる材料などに合わせて技術が築かれていき、独自の文化として形成されました。つまり、建築は文化そのものです。
ちなみに、地震の力は建物の重量に比例します。なので、地震が多い地域ではレンガや石などの重い材料は基本的に用いられません。
伝統的な建築材料
伝統的な建築材料は、大きく分けて『木』『石』『土』の3つあります。
どれも自然で採れる材料なので、世界中で広く使われました。
木
長所
・強度、弾性、じん性等が優れているので、災害に強い。
・空気中の湿気を吸ったり吐いたりして、湿気を調節してくれる。
短所
・燃える。腐る。虫に喰われる。風化する。
・湿気の吸ったり吐いたりによる伸び縮みで、ひずみや隙間が出来たりする。
石
長所
・人工では表現出来ない、自然の美しさ。
・耐久性、耐火性、耐水性、耐化学性、耐摩耗性が優れている。
短所
・加工が難しい。
土
長所
・どこにでもある。
・加工の仕方によって様々な用途に使える。粘土を木枠に詰めて乾かせば『日干しレンガ』に。粘土を窯で焼けば『レンガ』に。良質の粘土を高温で焼けば『タイル』に。『ガラス』の原料に。組積造で材料同士を繋ぎ合わせる『モルタル』に。
短所
・加工する必要があるので、加工技術・素材の善し悪しに出来栄えが大きく左右される。
伝統的な家の構造
伝統的な家の構造は、大きく分けて『組積造』と『架構式構造』の2つあります。
各地で採れる材料と気候に合わせて、構造が選択されます。
組積造
レンガや石などを積み上げて建築物を作った構造。
外壁・内壁を作り、壁で屋根や天上などの上部の構造を支える。壁で建物全体を支えるので、壁構造とも呼ぶ。
耐久性がかなり高く、頑丈で強固なので、長い間使うことができます。
しかし、地震にとても弱く、地震の起こらない地域でしか作ることができません。地震が起こるとぺちゃんこになってしまいます。
架構式構造
架構式構造は、木材で骨組みを作り、骨組みに壁や屋根を取り付けていく構造。
地面に垂直にたてるのが柱、柱と柱をつなぐのが梁。柱と梁で建物全体を支えるので、柱梁構造とも呼ぶ。
建物全体に柔軟性があって柔らかく、引っ張る力にも強いので、地震に強いです。地震の起こる地域で作られます。
しかし、耐久性が低いので、長い間使うことができません。
あとがき
世界の住宅建築は、各地で全く違います。同じ国でも村が違えば別物です。
ぜひ、旅する中で各地のいろいろな住宅に触れて、各地の文化を感じてみてください。有名な建築も楽しいですが、各地の文化そのものの住宅建築も楽しいものですよ。