こんにちは。YoFuです。
世界には100万を超える生き物が暮らしています。その中で、毒を持つ生き物は少数派です。少数派の中でも、人間を殺すような強烈な毒を持つ生き物はさらに少数です。
しかし、ごく少数といえども油断は出来ません。そのごく少数こそが要注意なのです。実際、2013年は57000人もの人が毒を持つ生き物に殺されています。
外国を旅するとなると、人を殺すような強烈な毒を持つ生き物に遭遇する可能性があるでしょう。
運の良し悪しですが、生き物の持つ毒について知識を持っていれば生き残る確率はグンと跳ね上がるでしょう。
毒を持っている動物を知っていれば、知らずに近づいたり食べたりすることがなくなるからです。
というわけで今回は『世界中の毒を持つ動物 哺乳類編』です。
毒を持つ哺乳類について
毒を持っている哺乳類はかなり少ないです。
毒を持つ動物は、攻撃か防御のために毒を使うことが多いです。
哺乳類は鋭い爪や強靭な歯などの武器・強固な肉体を持っていることが多いので、毒を持っていない動物が多いです。
毒を持っている数少ない哺乳類の多くは、攻撃のためではなく、生きるためにいろんな使い方をしています。
哺乳類によって使い方は違い多様です。
ホッキョクグマ
シロクマの愛称で可愛がられているホッキョクグマですが、実は毒があります。厳密には毒と呼べるか分かりませんが・・・。
ホッキョクグマは肝臓に高濃度のビタミンAが含まれています。これが人間にとっては毒です。人間はビタミンAを大量に摂取すると、頭痛や吐き気、皮膚炎などが起こります。
ホッキョクグマを食べるエスキモーは肝臓だけ食べずに残すほどです。
ホッキョクグマは強靭な肉体を持っているので、攻撃は素手で行います。敵は人間くらいしかいないので、攻撃にも防御にも毒は使いません。
なぜ毒を持っているのかが謎です。人間に対処するためだけに毒を持っているのかもしれません。
生息地:北極圏
カモノハシ
謎の生き物として有名なカモノハシ。カモノハシが毒を持っているのは有名な話です。
オスの後ろ足のかかとに蹴爪があり、そこから毒を注入します。
普段は皮膚のシワの中に隠れていますが、敵に襲われたときに取り出して強烈な一撃と猛烈な毒を食らわせます。
運が悪い人間なら死んでしまうほど強烈な毒です。
敵に襲われたときに使いますが、本来は敵から身を守るためではありません。オスしか毒を持っていないからです。もっぱら、繁殖期にオス同士がメスを巡って戦うために使われます。
ちなみに、メスを巡る戦いで死ぬオスもいます。
生息地:オーストラリア
モグラ
地中にトンネルを掘って生活するモグラ。膨大なトンネル網を作り上げます。
唾液に獲物を麻痺させる毒が含まれています。
ミミズを噛んで麻痺させて動けなくさせ、巣の近くに貯蔵庫に蓄えます。
小柄な割に大食漢なので、空腹に備えてミミズを大量に保管しています。
ヨーロッパネズミが1280匹のミミズを貯蔵していたという驚異的な記録があります。
生息地:北半球各地
トガリネズミ
ネズミという名前がついていますが、げっ歯類ではなくモグラに近い生き物です。
上のモグラの写真にどことなく似ています。
唾液に毒を持っていて、獲物を狩るときに使用します。噛んでは逃げるのヒットアンドアウェイ戦法で獲物を毒で徐々に弱らせ、弱ったら生きたまま齧りつきます。
毒の威力はそこそこあり、ネズミなら殺せてしまうほどです。アメリカのブラリナトガリネズミは200匹のネズミを殺せてしまうほどの毒を持っています。
生息地:世界中
ソレノドン
日本では聞き馴染みのない動物ですね。カリブ海のイスパニョーラ島にのみ生息しています。
鼻をツンと突き出した愛くるしい姿をしています。鼻は柔らかくて可動性があるので、狭い隙間に突っ込んだり、獲物を抑えつけたりといろいろなことに使えます。特徴的な鼻を使いこなして生活しています。
唾液に毒が含まれています。使いみちは分かっていませんが、餌となる生き物を動けなくさせるほどの毒です。
毒を持っていますが、犬や猫などにあっさりと殺られてしまいます。人間が持ち込んだ犬や猫に殺られてしまい、絶滅寸前です。
生息地:カリブ海イスパニョーラ島
スローロリス
東南アジアに生息するサル。サルで唯一毒を持っている。霊長類の中でも唯一。
クリクリとしたまんまるお目々にモコモコの毛皮、テディベアのような可愛さですが、結構エグい毒を持っています。
唾液に毒が含まれており、肘の下にも毒を分泌する線があります。肘の毒をなめて、唾液の毒と混ぜるとさらに毒性が強くなります。スローロリスはそれを全身に塗りたくって全身を防御しています。それでも襲いかかってくる敵には噛み付いて直接毒を注入します。
毒は身を守るためのものなので、そこまで強くありません。
ちなみに、スローロリスのスローは『遅い』のスローで、非常にゆったりと行動します。
生息地:東南アジア
スカンク
黒と白の目立つ色合いで、モフモフの長いしっぽが特徴の可愛い動物です。
可愛い外見にも関わらず、お尻から強烈な匂いのガスを噴出させることで有名です。
スカンクは敵に襲われそうになると、しっぽをたてたり前足を踏み鳴らしたりして敵に警告します。警告が無視されると、クルッと後ろを向き、お尻を敵の方向に向けます。そして、肛門傍の臭腺から強烈な臭いのする琥珀色の液体を敵めがけて発射します。
狙いはかなり正確で、敵が4m近く離れていても命中させることが出来ます。
臭いはかなり強烈で、2kmも離れた場所でも感じることができるほどです。強烈なのは臭いだけでなく、目に入った場合は一時的に見えなくなってしまいます。
最大で6発チャージすることが出来ます。
生息地:北アメリカから南アメリカにかけて
ゾリラ
スカンクによく似た動物です。スカンクよりちょっと色が薄めでモフモフが少なめです。
スカンクと同じように、強烈な臭いの液体を敵に発射させます。アフリカに生息しているので、『アフリカのスカンク』とも呼ばれます。
生息地:アフリカ中部から南部にかけて
あとがき
以上が毒を持っている危険な生き物 哺乳類編でした。
毒を持っている哺乳類はさほど多くないうえ、人を殺せるような毒ではないので、ヘビやサソリなど注意は必要ないかと思います。
ただ、どんな弱い毒でも人によってはアナフィラキシーショックというアレルギー反応を起こして死亡する可能性があるので、たとえどんなに弱い毒でも要注意です。
可愛いものにはトゲがあるので、どんなに可愛い動物でも要注意です。