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旅行を楽しくする知識 イスラム教編

こんにちは。YoFuです。

今回は旅行で役立つ宗教知識 イスラム教編をお送りします。

日本に住んでいると、宗教を身近に感じることはなかなかありませんよね。神社やお寺といった宗教施設にお参りするときでも、宗教を意識することはないと思います。ところが、世界のほとんどの人は宗教が身近にあり、宗教を基に作られた文化で生活しています。世界にはたくさんの宗教があり、宗教の数だけ文化があります。そのため、宗教を理解することは旅先での理解を深めることになり、楽しみが増えます。また、タブーなどの禁止事項を知ることで無用なトラブルを避けることにもつながります。

旅を充実させるためにも宗教知識を身につけておきましょう。

 

世界の宗教の種類

下の地図は世界の国別の主な宗教を色分けしたものです。とてもカラフルです。これを見ていただくと分かるように、世界では何らかの宗教を信仰している人がほとんどです。その数はキリスト教約25億、イスラム教約18億、ヒンドゥー教約10億、仏教約5億、中国宗教約5億人、ユダヤ教約2億人といった主な宗教だけでこれだけの信者がいます。また、各宗教には宗派があり、文化や考え方が違います。そのため、各宗教宗派の共通点と主な特徴だけまとめていきます。

今回はイスラム教で多数派のスンニー(スンナ)派です。シーア派と共通する部分が多いです。

概要

 

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                                                                        世界の主な宗教及び宗派の地図 by LilTek21 CC BY SA

宗教人口:約18億人

主な宗派:スンニー(スンナ)派(約15.3億人)・シーア派(約2.7億人)

主な地域:地図の緑色の部分(中東・北アフリカ・インドネシア周辺)

歴史

610年、メッカ郊外で預言者ムハンマドがアッラーから啓示を受けイスラム教を始めた。しかし、メッカで迫害を受け、622年にメディナへ移る(ヒジュラ)。メッカを取り戻すために軍隊を整えてイスラム勢力を拡大させ、630年にメッカを取り戻す。メッカ征服後の632年にムハンマドが死亡する。ムハンマドの後継者はカリフと呼ばれ、イスラム勢力を指導した。メッカ征服後も軍隊を維持する財源の確保のために、周辺地域への征服戦争が引き続き行われた。周辺地域への勢力拡大とともに内紛が生じるようになり、4代目カリフのアリーがウマイヤ家のムアーウィヤに殺害され、ムアーウィヤがカリフの座を奪い取った。以後、カリフはウマイヤ家の世襲となった。この事件を機にイスラム教がシーア派(アリーの「シーア(党派)」)とスンニー派(「スンナ(慣習)」に従うもの)に分かれた。宗派の分裂後もイスラム帝国は拡大を続け、イベリア半島にまで領土を拡大した。しかし、領土の拡大とともにヨーロッパに帝国を築いたキリスト教との間で衝突が起こるようになった。キリスト教との衝突は終わることなく現在も続いている。

文化

預言者ムハンマドが受けた啓示をまとめたものがコーラン(聖典)、ムハンマドの言葉と行動(スンナ)をまとめたものがハディースであり、それぞれが神の意志に沿った教えであるとして、イスラム教徒はこの2つの教えに従って行動している。そのため、イスラム社会はコーランとハディースにもとづいて作られている。しかし、現代では世俗的な国が出てきています。

イスラム教徒の信仰は6信5行から成り立っています(シーア派は5信10行)。6信5行とは6つの信じるもの(神・天使・啓典・預言者・来世・天命)と5つの行動(信仰告白・礼拝・喜捨・断食・巡礼)のことです。

イスラム教・キリスト教・ユダヤ教の3つはアブラハムの宗教と呼ばれ共通点が多く、エルサレムに聖地を持つため、昔から争いが起きています。現在の中東のいざこざの原因のひとつです。

イスラム圏を旅するときはコーランに目を通しておくと旅がしやすいでしょう。

旅行中の注意点とタブー

・礼拝(サラー、6信5行のひとつ)

礼拝は5行のひとつで、ミナレット(モスクの尖塔)から音楽が流れ、1日5回メッカのカーバ神殿に向かって祈ります。礼拝中は邪魔をしないように静かにじっとしていましょう。

・断食(サウム、6信5行のひとつ)

断食も5行のひとつで、イスラム歴(ヒジュラ歴)の9月(ラマダーン)に日の出から日没まで断食を行います。逆に、日没後から日の出までは飲食が可能です。ラマダーンは欲をたつことを目的ともしているので、喫煙等の行為も禁止されています。国や地域によっては、旅行者も断食を求められたり、喫煙等の行為が禁止されたりする場合があるため注意が必要です。また、イスラム歴と太陽暦は1年の数え方が違うので、毎年ラマダーンの時期が違います。時期を調べてから旅行に行きましょう。

・巡礼(ハッジ、6信5行のひとつ)

巡礼も5行のひとつで、ムスリムは1生のうち1回はメッカに巡礼しましょうという教えです。なので、世界中のムスリムがメッカを目指して旅を行っています。旅に出るムスリムが多いせいか、コーラン(イスラム教の聖典)には『旅行者には親切に』とかかれており、イスラム圏は旅行者に親切な人が多いです。

・食ベ物について

ハラルというイスラム法で許された食べ物だけ食べることができます。禁止されてる有名なものは豚肉やお酒です。国や地域によって禁止されてるものが違ったりしますが、旅行中に飲食する場合、その国や地域に合った料理が出てくるので、特に注意する必要はないでしょう。また、飲酒が許されている国や地域があるので、旅行前に調べておくとよいでしょう。Wikipediaにまとめてありました。

イスラム教における飲酒 - Wikipedia

・服装

過度な露出は控えましょう。モスクなど宗教的な場所に行くときは礼節を持った服装にするなど、特に注意しましょう。

・女性

イスラム圏では女性に対する差別が根強いです。ヒジャブやアバヤで肌を隠すのが一般的であったり、女性に対する服装の制限や男性との接触の制限、宗教施設への入場制限など様々な制限があります。肌を隠す服装をし、男性との接触を避けるようにしましょう。国や地域によってほかにも制限があったりするので、女性が旅をする場合は特に注意しましょう。

・モスク観光について

ムスリムにとって神聖な場所であるモスク。場所によっては旅行者の見学を禁止していたり、決められた時間のみ見学可能のモスクがあります。モスクを訪れた際に確認をしましょう。女性の場合は絶対に肌を隠しましょう。アバヤなどの着用が義務付けられている場所もあります。

・写真撮影

イスラム教は偶像崇拝を禁止しています。絵をかいたり、像を作ることも禁止されています。そのため、写真も禁止されている場合があります。イスラム教徒を写真で撮るときは必ず確認をしてから写真撮影するようにしましょう。勝手に写真を撮ることが犯罪になる国があります。

・左手と右手

コーランには右手を使って食事をするように書いてあります。左手が不浄とされているわけではないのですが、右手が優先となっています。食事や握手などの人と関わったり、人目に触れる際は右手を使うようにしましょう。左利きと人は特に注意しましょう。

・その他

自分の宗教を聞かれたら、仏教と答えておきましょう。イスラム園では神が存在することが常識であり、宗教を信じることが当たり前です。なので、無宗教と答えてしまうと頭がおかしいと思われてしまうかもしれません。

 

まとめ

今回解説したのはイスラム教の多数派であるスンニー派です。シーア派と根底は同じですが、違う文化を持っています。国や地域によっても違いがあります。一般的に、メッカに近ければ近いほど宗教的に厳格とされています。宗派や国、地域に合わせて旅をしましょう。

イスラム教は一神教です。その考え方をもとに文化が作られています。八百万の神が存在するとされる日本の考え方とはほとんど真逆といえます。そのため、イスラム圏を旅すると全く違う文化に圧倒されるでしょう。しかし、全く違う文化を知ることは楽しみでもあります。違う文化を味わう旅を楽しみましょう。イスラム文化を知るには以下の本がおすすめです。